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第2回:コンサルタントを志す技術者のための基本としての自立、自営のための考え方

最終更新: 2019年8月22日

 人間はいろいろな方向を向いて仕事をすることができますが、夢と可能性を重視すれば楽観的に仕事を進めることができます。「できない理由を探す」のではなく「できる理由を探す」ことで新しい道が拓けてきます。ここで大切なのは、定年になって会社を追い出されるからコンサルにでもなるかではなく、コンサルとして、本気で社会の役に立つという姿勢が大切なのです。

 世の中で大切なことのひとつは、不良資産を作らないことです。これは言葉を換えると、おもしろくないことを中途半端にやらないことです。また、自分の価値を考えて組織体制の中で棚卸しをすることです。きちんと自分の資産の価値を棚卸しをしながら不確定なものに挑戦して勝ち抜き、自立・自律する経験を持つことです。ぜひ、チャレンジしてみてください。そうしないとすぐ社会に価値がない不良資産がたまってしまいます。個人を一つの事業体と仮定すると、大切なことは「強み」と「価値」の発見、自分のキャリアの棚卸しからはじめるのが第一です。そして、最後は自分のロードマップ、マイルストンとアクションプランの作成につなげていきましょう。


・ホワイトの生産性がどんどん低下する・という事実を乗り越える必要性

 まずは参考までに単純労働作業(加工、組み立て)のスキルに対する、年齢変化をみていきましょう。一般的には単純な労働的な作業については若ければ若いほどよいといわれますが、熟練などのスキル要素も加味すると40歳ごろが最高の効率と仮定しましょう。いわゆる芸術的というかクリエーテブな作業は別にして、複雑作業(熟練作業)については、ある年までは上昇する、個人差もあるものは五感の衰えに従うとすれば50-60歳程度まではOKという面があります。そういう意味では定年制として昔の50歳ー55歳、最近までの60歳というのは熟練的な仕事をする人用であり、経営などの頭脳仕事は期待されていない、ある意味でリーズナブルな制度であるともいえましょう。

 一方では、経営職はパターン化されていないクリエーテブな仕事であり、年齢制限はないことになりますが、こちらにも定年制(内規など)があるのは不思議といえば不思議ですが限られた仕事の時代に分け合うという美徳の名残だともいえます。現在では、頭脳を使う仕事として経営職以外の高度な専門職としての技術者や技術をベースとした起業家などは、れっきとした頭脳職といえます。どうも日本の制度のほうが追い付いていないのは日本のホワイトの生産性低さなどといわれる原因にもなっているところです。


・自分が主体ということを時系列的に自覚する

 高寿命・低年金時代、サラリーマン・ウーマン人生のなかで50歳を中間地点としてその前後の25年づつ働き、楽しむことを提案できました。その生き方の前半は組織のなかで、思い切った活動をしながら自立・自営への準備期間とし、後半は組織を卒業して、自己実現と社会価値創出を行う本番の人生とするのがベースです。そこでは収入をシームレスに獲得しながら、経済的にも年金だけに頼らず生きるのはどうしたらよいかをすでに検討しました(注1参照)。ではわれわれ技術者などの専門家ではどうでしょう?ここでは後半にはより大きい価値を生むことで生活も生きがいも増大する自営コンサルタントモデルを提案していきます。

 一方では、未来の日本で組織と個人に何が起こるかについて実現確率の高い仮説を今一度確認して作ってみましょう。まずは組織ですが、すでに変化は起き始めています。会社の人事制度的に年齢給はなくなり、一般社員の給料は40歳がピーク、50歳以降はまだら模様となり経営職に就いた人だけグンと上昇します。また専門家については、①いわゆる専門家の分極化が起こると想定します。すなわち組織内だけの社内専門家(スペシャリスト)かどこでも通用する専門家(プロフェッショナル)へ分離です。もう一つは②高度な専門家を一つの組織(会社)では費用、需要とも抱えきらなくなくなるので、一人の高度な専門家を複数の企業で使う雇用形態の出現(専門コンサルタントの時代)と見通します。


・組織からの卒業(自立と自律)という考え方の本質

 多くの人々にとって重要で留意すべきことがひとつあります。時間だけはコントロールできないものです。逆に言うとだれにでも平等に与えられ、うまく使うものと言えます。今の時代、自分の望む未来の姿(ビジョン)は、組織を定年などで卒業したあとになることが多いのです。これは組織の中にいる人にとっては、組織を離れたときと現在の視点でのギャップが大きいことが予想されます。

 個人の未来戦略とは、言い方を変えると多くの人にとって学生時代も含めて既存組織を離れたときの免疫力を育成していないのが普通です。ということは、組織内にいる(給料が自動的にもらえている)ときに組織を離れるという仮想実験を行って、自分の免疫性を養成しておくことが本番の後半人生に実に大切です。

 組織を離れるということは、組織を卒業し自立・自律するということになります。自立というと聞こえはよいですが、改めていろいろな組織と関わりを持ちながらまさに目指してきた自分で自由に稼げる未知の世界に飛び込むことになるわけです。

 定年を控えて自分の意思で組織の枠を離れていくことは、卒業といえますが、強制的に組織から追い出されるの定年、クビということです。ロードマップの役割は、クビになる前に行うべき、自分の意思による組織からの卒業準備です。これまでに培ってきた能力を花開かせるための準備期間が完了したと見るものだからです。

 もちろん組織を卒業したあとは、社会の波風にも当たりますが顧客価値にも合致して収入も増えていくことが理想です。このためには、個人の社会的な環境変化への対処力をつけて活躍することが自立・自律ということになるのです。この時の組織と個人の関係を考えていくときに、その持つべき基本的な視点が自分自身における卒業のタイミングを見つけていくことなのです。


・組織の価値と自分の価値の共存化とロードマップの必要性

 具体的な対応の方策としては、すでに述べていますが、大きくわけて2つの方向性があります。いわゆる縦(専門性)か横(広域な融合・統合性)かの展開案です。

 最初はすでに持っている専門知識の深耕化と社会での武者修行です。すなわち、自分の得意な専門知識をさらに深くほりさげ、他人の追随を許さないようにしていくことです。特に、その専門が自分の属する組織の中心的なビジネスやミッションと一致していたり、近かったりする場合にはその手法は組織内で有効となるのです。

 もう一方の戦略は専門以外の分野の拡充、いわゆる広い領域での対応能力の拡大です。場合によっては特殊な専門分野と共通的専門分野(たとえば、法務、経理、財務系の会計士、弁理士、弁護士、工学博士と技術士などの資格獲得)とのダブルメジャー化やトリプル化といえます。会社の仕事をベースにして事業の全体の流れをつかむMOT、MBAなどの学位取得などもその戦略的対応策であるといえます。これはΠ(パイ)型人間と表現されますし、多くのサラリーマンはちょっと何かを追加すれば獲得可能な有力候補者です。

 組織内外の価値判断がロードマップとして描けると、自分自身の未来が少しでも見通しが得られることになり、それに対して淡々と投資していけば良いのです。これは大変な自信としての力になります。ロードマップを描くときの基本的な考え方に楽観性の視点というのがあります。あるべき姿、理想形というのはあくまでも、悲観的でも現実的でもなく、楽観的な視点で描くことが必要だからです。しかしながら、その楽観性だけでは物事はすすみません。そのとおりにいかない時にどうするのでしょうか?それに答えるひとつの方法が、着実なギャップの補完方法であり、自立するときのベースになります。

 今後の世の中の流れは、年齢に関係なく必要な専門性(スキル)を持つ人はフリーランサー的に必要度は上昇します。これは50歳以降の人が自立・卒業して生きていくための王道・早道のガイドラインとなります。一方では専門家にならない人でも、将来の日本の少子高齢化の日本のなかでは、不足する貴重な労働力としてなんらかの得意ワザを見つけることで、準専門家というスキルを身に着けることで、継続的に試写会とかかわりながら収入を得ていくことになります。(2019.7.22 出川作成)

(*注1:出川通著;「75歳まで働き愉しむ方法」(言視舎、2014刊))


以上

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