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●「東京フォーラム(WEB)」

【日時】2022年12月17日(土)13:30-16:30
【テーマ】こふん弁当箱の共創とNPOの価値向上を考えよう!
【講師】株式会社eight 代表取締役 ⿁木利瑛氏
【会場】Zoomでのオンライン開催
【スケジュール】
 13:30~13:40 開会挨拶と未来塾の紹介(10分)
 13:40~14:50 基調講演(60分)+質疑(10分)
 14:50~15:15 グループディスカッション①(25分)
 15:15~15:30 発表(6グループ×2.5分=15分)
 休憩5分
 15:35~16:00 グループディスカッション②(25分)
 16:00~16:15 発表(6グループ×2.5分=15分)
 16:15~16:25 ⿁木さんから講評(10分)
 16:25~16:30 阿部理事⾧の話(5分)
【出席者】28名(内、ゲスト参加3名)
【講演内容】

 誰もが創造的で豊かなキャリアを築き発信する時代へ-eightの挑戦-


1.鬼木さんの自己紹介
 リクルートで人事や採用に関するコンサルタント営業を担っていたが、夫の転勤と
第二子

 出産を機にリクルートを退職し、どこに行ってもどんな状況でも働ける環境を作ることを

 目指して創業に踏み切った。
 創業時に100個アイデア出しして、働きながらプライベートでキャリアを左右される人を

 支援することが自分の想いに合致し、キャリアコンサルタントの資格を取得して独立した。
 その後、豊田市に移住し2015年に法人化し、企業向けキャリアデザイン研修、行政委託事業、

 個人向け起業塾や企業支援などに取り組んでいる。
 自分理念は「自分の人生を生き生きと生きることが、子供たちが未来に夢を持って生きて

 貰える」ことになり、明日が楽しい未来になる社会を作りたい。

2.eight会社紹介
 従業員5名、ビジネスパートナー10名で、研修事業が主な収益源。
 女性活躍、働き方改革など、行政委託事業は女性の起業支援やプロボノに取り組んでいる。

 (生き方を支援している)
 ■起業後の苦労談(創業当初)
 ①両立の問題
  子育て、家庭、仕事、夫との関係や稼ぎと魂の事業(やりたいこと)のバランス
 ②人の問題
  一緒に同じレベルでやる難しさ(やろうとする人と協力する人のレベル差)
 ③お金の問題
  稼げているのか、いないのか分からない
 ■起業後の苦労談(個人事業主時代)
 ①人の問題
  1人抜けると大きな穴があく 受け身の人たちを雇用し続けられない
 ②お金の問題
  常に資金繰りが頭にある 困ってないときこそ金融機関に経営方針等を知って貰うようにした
 ③選択の問題
  状況によって(出産、コロナなど)優先順位を変えて取り組まなくてはならず決断が苦しい
 ■起業の喜び
 ①自由であること
  時間、働き方、何をやるかを自分で決められる(手放しがたい自由)
 ②つながりが広がること
  キャパが許せば、つながりは無限に広がる
 ③良くも悪くも成果がダイレクトに返ってくる
  全ての意思決定に関わっているため、やったことの成果、失敗が100%分かる
 ■大切にしていること
 ①捨てる事業、伸ばす事業は自分の心に従う
  事業性と思いの軸で整理
  「思い」を実現し事業としても成り立つ ものに集中する
  「思い」は実現できるが事業として成り立たない ものも切り捨てない
  「思い」がないものは稼げてもやらないことに決めた
 ②スタッフさん、仲間を信じる 完全自由な勤務体系、目標も自分で決める
 ③経費と投資を分けて考える 何もかもコスト削減しない
 ④毎月のeight会、半期に1度の面談 仕事とプライベートどちらも共有
 ⑤プロ意識を持ち、研鑽を積む 月に一度の実践的勉強会
 ⑥常に時代の先を見て、仕事をつくり出すという気持ちで
 ⑦失敗は怖いけど、成功だけはあり得ない 挑戦はマスト
 ■eightが目指していること
 理念:誰もが創造的で豊かなキャリアを築ける社会へ
 なくなる仕事に悲観するのではなく、自分で仕事を創り出す1人1人に!
 誰もが創造的で豊かなキャリア(=生き方)を私たちはその伴走者でありたい!

3.マイ古墳弁当箱について
(1)古墳弁当に取り組んだ経緯
 奈良で小学生とキャリア教育の一環で取り組んだご当地弁当を企画販売するProjで
出来

 上がった古墳弁当を世に出していくことに本気で取り組むことが創造的で豊かなキャリアは

 こういうことだと示せていけると考えた。
 古墳は16万基でコンビニの3倍 神社+仏閣数以上あり、古墳を守る=日本人の
 アイデンティティーを守ることに なると考えている。
 国として文化財保護対象にしているが陵墓等で認められないと保護しきれない。
 20年人材育成、女性活躍に関わった経験から、平和を愛する日本人が本当にいなくなって

 しまうという危機感と、奈良で過ごし古墳と自然の素晴らしさを知った経験から、日本の

 持つ素晴らしい歴史、文化を次世代に残していきたいという使命感がやろうと思ったきっかけ。
 また、大学生の就活支援時に、就職する場面で自分で決められないことに直面。
 自分で決めたから頑張れるのに、大学生になっても自分で決められないなら小学生から自立の

 一歩を学んで欲しい という思いもある。
(2)古墳弁当箱の取組み
 クラフドファンディングで発砲スチロール製古墳型の弁当箱を製作。
 (容器は最小ロット3000個で使い切るのに苦労した)
 平和的に古墳が作られたり争いがなくなったりと 古墳からパワーを感じる。
 キャリア支援がスタートだったが古墳をツールに何か訴えられる、創造的に何かを作り出す

 ことができる ということをきっかけとして再挑戦となった。古墳×弁当×木工
 全国の古墳スポットが古墳の保護に少しでも貢献できるように、古墳と作家さんと食文化を

 融合してやっていきたい。
 オリジナル容器で売上を一部を寄付したり、My古墳弁当箱マッチングシステムなど検討中。
 大阪万博を機に世界に古墳bentoを広めていき、日本が誇る歴史と食文化、健康と美意識を

 発信できるよう、クラウドファンディングをやる予定。
 ターゲットは古墳女子で噴ピクにリアルな古墳形状を再現した古墳弁当を持って行く

 イメージを考えている。

【質疑応答】
Q:四日市でもプロボノあるが名乗り出るNPOが少なくて困っていたが
  豊田市ではどうか?
A:初年度集めるのに苦労した。3年目で15団体→3団体選べるようになった。

Q:eight の由来
A:仲間が占い好きで数字が良いとアドバイスを受けた。末広がり無限大の意味も含めて。

Q:企業向けキャリア支援とはどのようなものか
A:副業は全面に出さず自己理解、棚卸しのフレームを提供し会社を超えてどんな人生を

  送っていきたいか を考えて貰う。副業は会社にとってもシナジー効果がある。

Q:副業の潜在的ニーズは?
A:愛知県少ないが全国では増えている。

  トヨタは兼業農家OKを拡大解釈して副業している人もいる。

Q:想いをしっかり考える力はどうやってつけるか
A:その人自身がそう思わないと難しい。

Q:人の入れ替えはどのように
A:自然に入れ替わった。 次に採用する際に主体性のある人を採用した。
  日本は会社都合の解雇は厳しく、社労士と相談しながら。

Q:個人KPIの設定方法、難易度の設定はどのように?
A:営業は設定しやすい。ここまでやれる+会社の期待や、
  昨年からどれくらい成果を上げるかで設定。 難易度は昨年度との比較で。


【グループディスカッション】
1回目テーマ:古墳弁当の商品力を高めるには?
   あなたなら古墳弁当箱にどんなストーリーをつけるか?
   どんな古墳弁当箱を作りたいか? ⇒ニーズの発掘
1班:古墳は近くに行ってもタダの山にしか見えない。
   グーグルマップやドローンなどで形を認識することが必要。
   3Dプリンターなどを使ってそれぞれの古墳を作る。
   弁当を詰めて自分も写ることで古墳の形も分かるようになる。
   それらの情報をグーグルマップに写真を載せていく。
   弁当箱作る工程で実測データから色んな素材で作ることをイベントにする。
   作ること自体がイベントになる。
2班:個々の古墳に繋がるストーリーを描く。マニア向け。
   学芸員の解説やアドバイスで作る。古墳の動画QRで古墳を紹介。
   希少性を出すために、出身地の古墳弁当箱を持って貰ったり、形状は同じでも

   絵付で差別化する。
   また、竹で編んだり、各地の作家や農家のお婆ちゃんでもできるようなものにして

   安価にする。
   一方、インバウンド向けには一般的な形状にして、お弁当以外のグッズをつけて

   盛り付け事例を写真や冊子でつけて古墳近くで限定売り。
   防水加工、トートバックとのセット 周辺のアクセサリー 酒升なども。
3班:ご当地古墳で古墳弁当バトルイベントをやる。
   蓋裏にQRコードをつけて他の仲間と繋がってピクニック気分で交流できるように

   したり、子供の絵を描いてオリジナル弁当箱を作り、描いた人のコンテストで

   ネットワークつくる。
4班:プロモーションビデオで古墳ストーリーを造る。
   ブッシュマン コーラーの瓶を多様な使い方で大騒動になる映画のように古墳弁当箱を

   落としてアフリカで色んな使い方→世界に広める。
   肉まんとおにぎり入れたり、ハンバーガーとポテトを入れたい。形状を正確に再現したり。
5班:モノにどういうストーリーをつけるかがポイントで歴史を語れるようにする。
   例えば、伝統文化で作る、漆塗りなど。
   地域の木材、森林保全、自分独自のもの などのストーリーを作って貰い古墳弁当箱と

   いうコンセプトで売る。
   箸、スプーン、フォークなども古墳時代に合わせたデザインでストーリー性をつける。
6班:弁当箱高いので工芸品として極めて装飾をつける。
   一方、わっぱめしなど簡易的素材で安く、思い出としてとっておくものにも。
   パッキンつけたり洗いやすくしたりして実用性を向上させる。
   小物入れ、壁掛け、マトリョーシカ、入っているモノをおかずで再現、
   古墳の中の絵を描く、あたり付き古墳カード入れる なども。
   万博に絡めてリリースし、関空でブース出したり、ファーストクラス空弁に。
   インフルエンサーを作る。商工会議所や道の駅なども活用する。

2回目テーマ:海外への日本文化の発信、日本の良さ、魅力の再発見、食育等に繋がる
   ビジネスモデル、社会貢献⇒未来塾としてのコラボレーション提案
1班:古墳サークルをつくる。縄文ワークルの定義を拡大。フィールド調査から。
   古墳紹介しつつご当地弁当を紹介する。
   全貌見れないのでヘリコプターツアーでお弁当出す。揺れるのでおにぎりと肉まん。
   誰が埋葬されているかミステリーツアーで弁当提供。
   蓋の裏にワンポイント解説入れる。
2班:インバウンドのコト作り体験旅行。
   古い要素技術+新しい要素で技術を盛り込む。
   蓋の裏にQRコードつけて古墳のデータが分かるようにしたりグーグルマップで
   位置を特定できるようにする。
   藤川樹脂コラボや縄文サークル監修で製作。古墳サークル発足など。
3班:航空データなど取ってナプキンに印刷し広げたら地域写真が出るようにしたり、
   苔植えたりしてジオラマを作る。
   弁当箱を大きくして車になったら面白い。
   電子工作キット開発、電子工作教室、弦張って楽器にしたり、電子楽器コンテストの
   優勝者でバンド組んで古墳ミュージアムで流すなど。
4班:古墳サークルを作る。うんちくを語れる人を養成する。
   ワークショップで古墳弁当箱やグイ飲みを作り、当時の人が食べていたものも作る。
   海外向けとして見せてアイデアを貰う。
5班:未来塾としてはビジネスには入れず、サジェスチョンやディスカッションをやる。
   モノ作り、産業的な面 地域性や産業性で貢献する。
   漆のトップモデルやエントリーモデルなど。

【鬼木さんコメント】
 アイデア貰えた。体験、地域、テクノロジーがキーワード。
 やれることを1つずつやっていきたい。
 発信力がなくてなかなか伝わらないが、見せ方一つで売れ方違う。
 ストーリーを持たせる、PRビデオ、イベント、ワークショップなど面白いことを
 やっていくことが発信力に繋がる。
 未来塾とのコラボレーションとして古墳サークル(縄文サークルの拡大?)に期待。
 引き続きご意見、議論頂きたい。
 
【阿部理事長挨拶】
 実践できるかどうかは別としてアイデア沢山あった。
 どう咀嚼
して活かすかまでは時間足りなかった。
 色んな切り口があって良かったが実現性は色んな議論が必要。
 折田さん窓口となり、NPOとして必要あれば対応する。
 個人としてやりたいこと、できること、社会の役に立つことの3つが重なったところが一番力がでる。
 「できること」なら色んな経験ある人がいるが、「やりたいこと」に思い至っていない。
 作ったモノが売れるかより、社会に役立つことができるとよい。
 3つの視点で整理して折田さん設定役としてやってくれると今後に続いていく。

 

参加者の感想(メーリング)】

<参加者A>

現状を再認識するいい機会でした。

鬼木利瑛さんの言葉で最も刺さったのは、講演ではなくテクノ未来塾に対する率直な意見です。

「未来を作る団体だと思っていた。知らないというのが大きい」

「入りにくそう、レベルが高そう、気軽に仲間に入りにくい」

「いろいろな人が集まって、オープンイノベーションというイメージが最初にあった」

外部視点からどのように見えるのかと、会員・塾生からの内部視点との意識ギャップを的確に

 言い当てています。

オープンイノベーションを実行する団体になるというのではなく、

現実と合致した情報を提供するべく、Webなど情報発信を改善する必要を感じました。

技術士Mさん「今の未来塾は40代男性のコンフォートゾーン」

化学Mさん「最大の特徴は、技術者が集まっている。技術者はマイナー、日本の社会の標準から

ずれた存在」という会員意見も的確に表しています。

もう一つは、グループディスカッションで「未来塾としてのコラボレーション提案」

を考える際に "未来塾として" の行動とは何か、我々は何者か改めて問いました。

多様な技術者の緩やかな集まりというのが私の解釈です。サロン的な会合、集団。

団体としてコラボするというより、関心を持った個人(今回はサークル希望者)が関わるという形に

落ち着くのでしょう。

講演テーマ「こふん弁当箱」は、熱い想いから自主制作でここまでやったことが素晴らしいです。

16万あるという古墳コンテンツと地域創生ともっと連携すれば発展性あるとも思いました。

キャリアモデル開発の話は、独立文化を大事にするリクルート出身者らしいと感じました。

会員発言が、副業に対する私たちの認識を的確に突いていました。

金銭的に副業の必要性を感じない点、時間リソースの点。

第二部「未来塾の価値向上を考える」にあたって、事前にこの3年気になっていた点を再確認しました。

それは、30人の壁。

connpass履歴を確認すると、なぜか、毎回の参加者はほぼ30人で頭打ちです。

フォーラムがオンライン開催となり移動の制約が無くなったならば、

(他団体イベント等と比較参照すると)もっと参加者が増えそうなものです。

フォーラムテーマがユニークで多彩になっているから、逆に関心が分散したのかもしれません。

会員塾生のうち約4割という参加者数が少ないのか適度なのか、人により意見は異なるでしょうが。

フォーラム感想とは別に、阿部理事長からの新年メッセージも考えさせられます。

「若者が何を考え、何を行動規範としているのか、その考え方・意見を傾聴する機会を作りましょう」

職場と家族以外で、20代の若者と接する機会を持っているでしょうか?

同質性の高いコミュニティ内だけに留まっていないでしょうか?

個人的には、昨年12月に京機会若手会で大企業P社の新人技術者から聞いた、

「若手と年配しかいない(優秀な中間層は転職していく)」という話が気になりました。

「年配のおじさんは話が長い」という意見もありました。

彼ら彼女ら相手に、テクノ未来塾を紹介できないか自問自答しましたが・・・。

<参加者B>

最初の案内で「古墳弁当」という言葉があったので一体何なの??と

思いましたがこれはあくまでも鬼木さんの幅広い活動の一断面でしかありませんでした。

自分の持つ知識と意欲がそのまま周りに影響を与えつつビジネスとして成り立つ。

とても素晴らしいことだと感じました。

自分がこれから何をするか、何をしなければならないか。

それが少しづつ見えて来たように思います。

おまけ

外部から見るとテクノ未来塾はとても異質な集団なんでしょうね

<参加者C>

第二部冒頭の財団賞候補者2名のプレゼン、いずれも個人の強い思いがあり、

ご自身の言葉で吐露されているところに感動しました。

16時からはグラス片手に発表や懇談を楽しみ、気がついたら忘年会の最後まで。

オンラインになってから初めての体験でした。

懐かしい顔、比較的新しい顔、個性豊かなそれぞれの話に耳を傾けているうちに、

新発見がたくさんあり、新解釈にも納得でき、すべてを肯定的に受け止めている自分が

いることに、驚きました。

最後のほうで「人間力」が話題に出ましたが、居心地のよさは、13時半から19時過ぎまで、

講師・参加者ひとり一人の人間力の高さを全身に浴びたから、と思い至りました。

感謝! あるのみ。自分なりの行動指針も更新、Version “upgrade” しました!♪

​(文責:中條屋)

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