

Forum
2016年
フォーラムは、独創的な研究開発、技術開発で実績を挙げている専門家、ベンチャー起業家、 ユニークな経営者による講演と参加者全員による討論で構成されています。 →全フォーラム実施リスト
●2016年12月23日(土)「寺子屋フォーラム」(東京)
「社会とテクノ未来塾の未来」を考える
・個人としての将来像と叶えたい未来 ・組織としての未来像とアクションプラン
・開催概要
2016年の寺子屋フォーラムは参加者全員で「社会とテクノ未来塾の未来を考える」アイデア出しとアクションプランについて、ワールドカフェ形式で議論する場となりました。AIやIoTの導入が進む社会の未来は?幸福な社会には物質的な豊かさと精神的な豊かさのどちらが必要?などを考えながら、テクノ未来塾の未来について議論しました。
議論の中で「世代の受け渡しの場」を作っていくというアイデアが出ましたが、複数の未来のシナリオを描き提言していくだけではなく、自ら実践する事により次の世代にエンジニアとしての考え方や行動を受け継いでいく、そんな場を作っていけたらという夢が膨らみました。
若い人達を集めるためのテーマ選定、仮説とマーケティングによる実証、サークルを増やす、塾生のデータベース共有など、色々なアイデアとプランが出てきましたので、2017年の動きが楽しみです。
・参加者の感想
今回は「社会とテクノ未来塾の未来」をワールドカフェ形式で議論し考えるという事で、「叶えたい未来」と「アクション」がキーだったと思います。今回は「社会とテクノ未来塾の未来」をワールドカフェ形式で議論し考えるという事で、「叶えたい未来」と「アクション」がキーだったと思います。
ところで、今回もそうですが、過去のフォーラムや合宿ゼミなどでも感じているのは、我々はすでに相当の知識をこれまでのフォーラムなども通して、あるいは個人的に勉強して持っていて、そこから想定される叶えたい未来を実現するためにアクションする時期に来ているということです。
また、自分たちよりも若い世代に伝えていくべきことも沢山あって、それもやっていく必要があると思います。彼ら若い世代はすでに自分たちで実行している人も沢山いますが、そうでない人もいるので、そういった人を巻き込んで考えていくことで、どういう未来を志向すべきなのか、叶えるべきなのかに関してより良い議論とアクションができると思います。
とすると、やはり新たな人を入れて活動をさらに進めていくべきということになると思います。今回の議論でも同様の意見が結構出ていたと思います。
未来塾は「勉強の場である」と同時に「叶えたい未来に向けて実践する場」であるということになるのかなと思います。
●2016年12月3日(土)第164回「フォーラム」(京都)
「豊かで明るい“ものづくりの未来”を考えよう
~自ら明るい未来を構想できなければ明るい未来はやってこない。夢はみるものではなく叶えるもの~」
阿部 惇氏 立命館大学総合研究機構 上席研究員/ニチコン株式会社 取締役
・開催概要
基調講演では、「ものづくり」の概念を、「ビジネスモデルまでを含めた広義のものづくり」の概念、換言すれば、「エコシステムとしての事業づくり・産業づくり」という概念を様々な事例を用いてわかりやすく解説して頂きました。
講演後は、参加者全員で「豊かで明るい未来社会を目指して、人のため社会のために貢献する新たな価値創造を行うには」、というテーマでグループ討議を行いました。
・参加者の感想
(1)阿部先生の講演は技術者が、「明るい未来を創造して具現化するためにはどうしたらいいのか?、どういうことを考えるべきか?」ということが非常に丁寧にわかりやすく示されていました。
特に、「予測ではなく、予見・洞察が重要である」。そして、技術者に期待する資質として「豊かな夢を持ち、夢を希望にまで高め、希望をさらに目標とし、その実現に向かって全力をつくす」という二つのメッセージは大切にしたいと思います。
考え方一つで未来は明るくも暗くもなります。我々は「明るい未来」を指向し、責任を持って、どう具現化するかがポイントになると思います。未来を議論することはやはり大切で、「未来は創ることが出来る」ということを実感しました。
(2)阿部先生の講演は何度聞いても、もっと聞きたい気持ちになります。私が特に意識していきたいと感じたことは、「正解のない世界で、自分の頭で考え、自分の意思を持つこと」です。多くの情報が氾濫する中、何を信じたらよいのかと思う事がありますが、自分の頭で考えることが大事だと感じました。
考える際に考慮しておきたいことは、以下の3点です。
1.VUCA(volatility, Uncertainty, Complexity, Ambiguity)の世界で勝ち抜くために、現状に懐疑的であり続けること、未来、将来像を描くこと、そして技術改革のインパクトを徹底的に考え抜くこと。
2.顧客に何を提供できるかという視点は、顧客にどんな体験(コト)を与えているかに置き換える。
3.なぜ行うのか、課題は何か、誰にどのような価値を提供するのかというストーリを考える。
そして、「実行とはリーダーの最大の仕事」というお話はズシンと心に響きました。
●2016年7月2日(土)第163回「フォーラム」(東京)
「豊かで明るい“ものづくりの未来”を考えよう
~自ら明るい未来を構想できなければ明るい未来はやってこない。夢はみるものではなく叶えるもの~」
阿部 惇氏 立命館大学総合研究機構 上席研究員/ニチコン株式会社 取締役
「水中探査機『江戸っ子1号』から『葛飾っ子1号』へ、水深1000mへの挑戦とロマン」
杉野 行雄氏 株式会社杉野ゴム化学工業所 代表取締役社長
・開催概要
講演Ⅰでは、ビジネスモデルまでを含めた広義のものづくりの概念、エコシステムとしての事業づくり・産業づくりという概念の解説をとおし、「豊かで明るい未来社会を目指して、人のため社会のために貢献する新たな価値創造を行うには」という問題提起と考えるヒントを提供していただきました。問題意識を持つほど響くものがある、読み返すたびに理解の深まる資料です。
講演Ⅱは、人と人、技術と技術をつなぎ、ものづくり・物語りづくりを実践してこられた杉野社長の「物語りづくり」のお話しでした。2013年に日本海溝の水深7800m地点の撮影に成功した深海無人探査機「江戸っ子1号」の開発ストーリーを中心に技術者魂のお話しが満載。江戸っ子1号のガラス球と葛飾っ子1号の実物も持参してくださり、様々な質問が飛び交う会となりました。
・参加者の感想
阿部理事長の講演では、「成功の復讐」という言葉が心に残りました。成功を続けている間は(企業は)他のことに目が行きにくくなることがあるので、常に新しいことの創出にチャレンジしていくことが大事であると感じました。
杉野社長の講演では、圧倒的なエネルギーというか情熱を感じました。決してあきらめない強い想いと、思い込みの強い技術者が現実的な解決策を探していく実体験の物語りが印象的でした。限られた予算内で機能を切り詰めて行く中で最後までこだわった深海の3D撮影に男のロマンを感じるとともに、だからこそ様々な協力が得られたのだと思いました。
●2016年5月21-22日「未来について考える自主ゼミ in 熱海」
・開催報告
「豊かな未来社会」とは?我々は「どのような社会を目指しているのか?」をテーマに、テクノ未来塾の理事・塾生20名が熱海で合宿形式の自主ゼミを開催しました。参加者は課題図書『成長の限界』、『世界はシステムで動く』を事前に読み、合宿に臨みました。
1日目は各自が思い描く「未来」・「未来社会」について全員が2分プレゼンを行うと共に、核融合から食料・人口問題、欧州の半導体技術開発まで幅広い話題が参加者から提供され、ワールドカフェにより「未来」についての議論を深めました。
2日目はプロジェクト・サームルの活動報告があり、今後の進め方について活発な質疑応答がありました。
・参加者の感想
「時間」「社会」「地理」などの様々な視点から未来に対する考え方を聞くことができ、知的好奇心が刺激されました。難しいテーマでの議論でしたが、「相互作用」で多くの新たな視点が得られたと思います。
また、「システム思考」・「ロードマップ」・「シナリオプランニング」というベースの考え方を理解することが出来、新たな気づきが得られました。
●2016年4月2日(土)第162回「フォーラム」(京都)
「『京』の開発秘話と今後の展望」
井上 愛一郎氏 理化学研究所 計算科学研究機構 統括役
・開催概要
科学的成果を出すことのできるスーパーコンピューター「京」のはじまりから完成までの長くて険しい道のりと、「京」が実現したシミュレーションの一つである心臓シミュレータなどの事例を用いて「京」の持つ真の価値と今後の可能性について解説頂きました。
・参加者の感想
様々な失敗や試練を乗り越えて「京」を開発された話は、業務を完遂するために必要なことを教えられただけでなく、エンジニアとしてのPassionを強く感じました。
井上先生が「コンピューターの可能性を信じ、未来を仮定し実現する」という思いを持ち続けて進まれたことが、結果的に成功に結び付いたのだと思いました。「思いこそすべての始まり」を実感したフォーラムでした。