私の初孫が今日生まれた.さっそく病院にお見舞いに行く.猿のような
赤ちゃんをイメージしていたが,意外と目元がすっきりの端正な女の子.
早速抱かせてもらったがじっとしていることがなく「もよもよ」とした
動きが手に伝わる.私は男の子2人の経験しかないので,もよもよと
ソフトな感触は新鮮である.66 才で爺になるのだから,孫が成人式を
迎える頃は 86 才,結婚する年齢では90才を超えてしまう.私の息子は
35才で生まれたので,当時としてはやや遅い方である.これから孫が
加わった浅川家族がどのような展開をするかわからないが,浅川家を
中心には回らないだろう.私も娘が欲しかったが事情が許さず2人の
息子だけとなった.母親となると子供ができた段階で実家の磁力に吸引
されてしまう.それを私の経験でも明らかだ.孫も母親の表情から
安らぎは母親の実家方にあると本能的に察知するだろう. そのためには
我々夫婦が孫に魅力ある爺・婆にならなければならない.爺のところに
行けば好奇心を満たしてくれる,婆のところに行けば安心感がある.
そんな方向を描き始めている.いずれにしても人間は将来を考えながら
人生設計をしているとは到底思えない.「早く結婚して老後を楽に
暮らせ」と若者に説いても,30 代以前の結婚はまれである.多くの人が
60 才過ぎても息子や娘(孫ではなく)の教育や結婚費用の工面で汲々と
する人生を送ることになる.
その後,息子の嫁さんからの便りがあった.“お父さん、お母さん
こんばんは。今日で娘が生まれて 10 日が経ちました。毎日、ねんね・
おっぱい・おしめの繰り返しですが、出生時より体がしっかりしてきた
ような気がします。おっぱいも「あー」「うー」と声を出しながらいい
「飲みっぷり」になってきました。恒例の目白での1月2日の新年会には
残念ながら参加できませんが娘がもう少し大きくなりましたらまたお邪魔
させてください。それでは良いお年をお迎えください” 母親になってゆく
ほのぼのとした情景が浮かんでくる.