私の所属している男声合唱団の企画で日韓男声合唱の交流会があり,
私も韓国を訪れた.この縁は韓国に長らく駐在していた団員が韓国の
男声合唱団に入団し,大変良い人間関係を構築しことが発端である.
一時は日本の歌曲を韓国で演奏するには様々な規制があり,両団の
交流を妨げたときもあった.しかし,個人的な交流が連綿と続き
現在の交流につながった.レセプション会場は北朝鮮に近い保養地
山井湖水で開催され日韓合わせて 200 名近くが集まった.
翌日のソウル市内の合同演奏会では 1800 名が収容される演奏会場が
満席,韓国男声合唱団の観客動員力はたいしたものである.日本の
聴衆と違い,韓国の聴衆は一曲ごとに素直に反応してくれることに
大変驚いた.特に我々が,ポリバ(麦畑:韓国で最も人気のある歌曲)
を韓国語で合唱したときには総立ちで拍手が鳴りやまなかった.
総じて,韓国の合唱団は日本のセミプロ級の実力がある.発声方法が
日本のアマチュアと違い,西欧の歌劇場の合唱団に近い「柔らかい」
発声である.男声といえども,鼓膜が悲鳴を上げるような発声は皆無
である.3年後には韓国男声合唱得団が日本に来て我々と競演する
ことも決まった.浅川研における韓国からの留学生のご父母とも
ソウルでお会いするチャンスがあった.来韓に大変喜んで頂き,
美味しいキムチもどっさり頂いた.職場から離れ,大きな息抜きが
出来た 3 日間であった.