早稲田大学 名誉教授 浅川基男 asakawa@waseda.jp
私はいま理工漕艇部の,頼まれ部長をしている.本漕艇部は’1987 年に日本代表として世界選手権に出場したことがあり,理工学部でも名門と知られている.
ここに所属する学生の雰囲気は日頃講義や研究室で接する一般の学生と異なる濃密な一種の異臭を発散している.高度成長期以前の大学生は「愚直」に「真面目」であらゆることに若さで「突進」し,「挫折」「彷徨」を繰り返し「自己嫌悪」「疎外」を痛感しながら一生の「親友」を求め「自己を確立」する過程といわれ,クラブ活動に活路を求めて行った.それは自分を鍛える場,一生の友人を作る場としての効用