早稲田大学 名誉教授 浅川基男 asakawa@waseda.jp
さて,戦後の1950 年に,日本は世界のGDP の僅か3%に過ぎなかったが,1988 年に16%(中国は2%)のシエアを占めるまでに発展した.しかし,その20 年後の2018 年には,わずか6%(中国は16%)にシュリンクしてしまった.日本の劣化を端的に示すのが世界各国との時間当たりの賃金比較である.世界の多くの国が賃金上昇しているにもかかわらずこの20 年間,賃金も全く変わっていないどころか,低下傾向を示している.この日本の状況は,統計の間違いでは無いかと疑った.しかし,実感とよくマッチングしている.20 年前,筆者が大