早稲田大学 名誉教授 浅川基男
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「明治政府は近代化を急ぐあまり文系,理系を峻別して促成栽培の教育を施してきた。
この結果、お互いの世界を全く理解できない、理解しようとしない国民性が醸成された。
この意識の断絶を回復することが21 世紀の科学の大きなテーマだ」と村上陽一郎は警鐘を
鳴らしている。
明治の初期は森鴎外や寺田寅彦のように文系、理系と分けることすら意味のない文化人が
多く輩出した。これも西欧の哲学と科学は表裏一体であるとの影響が色濃く残っていたから
であろう。数理に弱いから文系、逆に強いから理